2020年10月10日
日本生活学会 会長 有末 賢
日本生活学会理事会
第25期日本学術会議の新規会員任命に際し、日本学術会議が推薦した105名の会員候補者のうち6名を内閣総理大臣は任命せず、その理由も明らかにしていない。このような決定は、自由闊達な研究活動・意見表明を阻害し、ひいては憲法23条が保障する「学問の自由」に対する介入ともなりえる。
周知のとおり、日本学術会議は、生活に大きな惨禍をもたらした第二次世界大戦に科学が協力したことへの反省から設立され、政府と独立して職務を行う「特別な機関」と位置づけられてきた。その自由独立した活動こそが本質であり、今回の政府の決定は極めて遺憾とせざるを得ない。
この問題が将来の生活の危機へつながるであろうことを強く懸念し、「生活の危機」の克服と「生活擁護」を設立理念に掲げてきた日本生活学会は、内閣総理大臣による任命拒否に抗議し、6名の任命拒否理由のすみやかな開示と6名の会員への任命を求めるとともに、協力学術研究団体として日本学術会議には毅然とした対応を願うものである。
日本生活学会 事務局
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